この前嫁さんが流産したのよ、2回目のね。で、生まれて初めて絶望を経験したわけですわ。
正直最初の流産は仕方無いと思ってたのよ。妊娠の3割は流産するって言うからさ。
あのね、俺が間違ってた。あれは1回でも経験するもんじゃない。地獄だね、閻魔大王に舌抜かれるより辛いよ。
最初に経験した時はさ、嫁さんが可哀想で腫れ物に触るようにそろ~ってホントにそろ~っと接してたのよ長い時間かけてさ。
オレも凹んじゃって暗ーい家庭だったさ。
そしたら嫁さんがさ「今度は頑張ろうねっ!」とか明るく言うの。
同じ過ちは2度繰り返さないのが俺よ。だから1年半後に2回目の妊娠した時は嬉しかったよ。
どことなくぎくしゃくした夫婦に明かりが灯ったね。
えぇ、そりゃもう排卵誘発剤打ってたとか病院通いしたとか全てを忘れて頑張ったよ。
結婚して5年が経って同年代はドンドン出産するし会社や、ご近所さんの「お子さんはまだ?」なんて言葉を愛想笑いでごまかしてた事とか色々忘れてね。
だって天に昇るほど嬉しかったからねオレも嫁さんも子供大好きだし。そしてらエライ事になった。
もうすごい衝撃。すごい絶望感。足がガクガクして立ってられない。ロボットダンス選手権ならぶっちぎりで世界ナンバー1になれるNE。
それで先生に残念でしたねって言われた後に待合室で嫁さんが泣きながらオレを見てるの。ホントごめんなさい。
正直「今回は大丈夫だから普通に生活すればいいじゃん」なんて見栄張らないでもっと妊娠初期を大切に大事に大事にやってたらよかったと思ったよ。
今回の事で心の底から自分の人生を恨んでそして後悔したね。
でも後日流産処置が終わって麻酔が切れてきた嫁さんに「心配しなくても大丈夫だよ、ゆっくり頑張ろうね。」とか言っちゃてんの。ホント俺ってダメ人間。
未来を夢見て二人で生きていくよ。