昔うちで飼っていた風有(ふゆ)を思い出しました。
初冬の、風の強い日に拾った猫でした。
足に大怪我してて、ガリガリで、汚れてて…
とても見捨てる事が出来なかった。
先の飼い猫が亡くなってから、父が『もう悲しいお別れは嫌だから飼いたくない』
と言っていたのを思い出し一瞬戸惑ったが、強行突破しよう!と、
着ていた服で抱き抱えて動物病院へ。
処置をしてもらい、恐る恐る家に連れて帰った。
玄関で父とにらめっこ。
ため息とともに『ご飯の前に体拭いてやんなさい』
『おまえが世話するんだぞ?父さんは知らないよ?』
…と言っていたのは最初だけで(笑)
寝るのはかならず父と。
外に出るときは父の自転車の籠にクッション付。
お風呂にも一緒。いつでも一緒。私は正直妬けました(-ω-
そんな蜜月を何年か過ごし、父が病に倒れ、半年後、帰らぬ人となりました。
葬儀の後、風有は毎日仏間にいました。
夜は父の部屋で、淋しそうに寝ました。
何度私が自分の部屋に招いても、父を探すように、父の部屋に戻ってしまうのです。
そして四十九日の法要後、風有は父の傍に行ってしまいました。
うちの方では、亡くなった人は四十九日の間は家にいて、
法要後家を離れると言われてまして…
寂しがり屋の父だから我儘言って、風有を連れていったんだねって
兄と話しました。
今でも毎年風の強い寒い日は、風有を思い出します。
お父さんと仲良くしてるかな…