すっげーかわいがってくれた『じぃちゃん』 戦争から帰り、必死に働いて
小さいながらも会社作った。孫の中でも特に俺をかわいがったせいか、ワガママなガキだった俺。
ガキん時、忙しくてたった一回だけ遊んでくれなかった、という理由で『じぃちゃん』に
「だいっきらいだ!どうせ僕だけ嫌いなんだろ!」怒鳴ってしまった。
その後成長した俺は『じぃちゃん』とは普通に接し、会えば一緒に飯も食った。
そして5年前『じぃちゃん』が逝った。で、そのときにお袋から聞かされた。
母「じぃちゃんね、貴方だけ特別に可愛がったのにはワケがあるの」
俺「えっ?俺が馬鹿なクソガキだったからか??(笑)」
母「あのね、孫の中でも貴方だけ血が繋がってなかったのよ。」
俺「はっ?どういう意味ですか?」
母「戦争で奥さんを亡くし、貴方のお婆ちゃんが私を連れて嫁に行ったのよ」
戦争で妻だけを亡くし、国の復旧のために懸命に働く中、『じぃちゃん』は
ばあちゃんと結婚し、自分の子ども、連れ子も平等にかわいがったらしい。
俺が身近に居たこともあったが、血の繋がらない孫だと分かったら俺の気持ちが
離れるだろうと思いこみ、理解してない子供のうちに一杯愛情をかけてやろうと
思ったらしく、自分の娘たちから批難を浴びようが愛を注いだ『じぃちゃん』
戦争のせいで家族を亡くした人たちに再婚はよくあった話らしい。
でも俺は何にも恩返ししてないから毎月の墓参りしかできてません。
『じぃちゃん』
血の繋がりの意味分かってからも貴方の孫ですから。。。
ばぁちゃんとお袋を愛してくれ、最後まで一緒に居てくれてありがとう。。。
ガキん頃、怒鳴ってしまってマジでごめんなさい。。。
尊敬する人は誰ですか?と聞かれても貴方の名前しか出ません。。。
最後に、今度もまた『じぃちゃん』の孫に生まれさせて下さい。