有名な仲が悪い嫁姑一家

うちの近所には、有名な仲が悪い嫁姑一家が住んでいた。

気が強いババアとそれに負けない嫁。
お互いに文句をポンポン言い合うような嫁姑だった。

ある日、とうとう姑が、病に倒れた。
姑は、「あんたには世話にならんよ!あっち行け!」
嫁は、「はいはい、うるさいよ。黙って、言うこと聞いてりゃいいんだよ。」
でもね、そんな姑の事(好みや性格、身体の具合)を一番理解してるのは、嫁。


近所では、アノ嫁さんじゃなきゃ、やってられないね。(by嫁連合)
まったく、きつい嫁だよ。あれじゃ、○○さん(ババ)が可愛そうだ。(by姑連合)
そんなこと言いながら、嫁は一生懸命に介護をしたの。
とうとう、姑が亡くなって、一通の手紙が出てきた。

「○○(嫁の夫=息子)へ、△△(嫁)を大事にするんだよ。私は、多分、もうダメだろうから。あんまり働き過ぎないように、言ってくれ。くれぐれも身体を大事にするように。あんなにケンカが出来たのは、嬉しかったよ。あんなに、出来た嫁をもらったお前は幸せものだよ。△△がお前を選んでくれた事は、私の育て方が間違っていなかった証拠だよ。ババ孝行してくれた△△へ。ありがとう。」

その嫁さんは、私に手紙を見せてくれながら、涙をにじませていたよ。
義母と嫁、同居50年、親子以上の何かが生まれていたのかもね。