私には好きな人がいました。
その子はゆうとという名前でした。
クラスが同じで席も近かったので仲良くなり、いつのまにか好きになっていたのです。
しかし、ある日ゆうとくんが学校にこなくなりました。風邪かななども最初は思っていましたが、1週間たってもゆうとくんは姿を見せませんでした。先生にゆうとくんのことを聞くと、「誰にも言うなと言われたんだが、転校することになり学校を辞めた」と言われました。
嘘。なんでいきなり?
転校する事ぐらい教えてよ。。
好きって伝えたかったのに
私はたくさん泣きました。
いつか伝えようとしていた想いを言えずに何処へ行ったか分からないゆうとくんが恋しくて。
そんなある日私は部活で指を脱臼し、病院へ行きました。
すると廊下で目を閉じて車椅子に乗っている男の子とすれ違いました。
何か見覚えのある顔だなと思い、すれ違ったところで「ゆうとくん?!」と叫びました。するとその男の子は「○○○か?」と言いました。
覚えてくれていたのが嬉しくて「ゆうとくんこんな所でどうしたの?」と声をかけました。するとゆうとくんはゆっくりと目を開けました。
「あー○○○の顔もう一度見てぇな」
と、言いました。
何言ってるんだろうと思いましたが。
私は気付きました。彼と目が合っているようで合っていないことに。そして、彼が目が見えなくなっていることに。
「俺もうお前の顔見れねぇんだな」
と、呟きました。
私はトイレに走り個室で一人泣きました。
ゆうとくんはもう目が見えない。
何も見られない。
私は今でも思う。
違った意味で、
「もう一度私を見てよ」