ある日、まる子は仲良しのたまちゃんとタイムカプセルを作ることになり、まる子の家でそれぞれの20年後に手紙を書きました。
まる子は、たまちゃんに、たまちゃんはまる子の将来に宛てて手紙を書いたのです。
それを次の日「一緒に埋めに行こう」と約束してその日は別れました。
そして次の日寒さの中独り、待ち合わせ場所でまる子は待ちます。
しかし、いつになってもたまちゃんは来ません。
日も暮れてきました。
もう帰らないといけない時間です。
まる子はたまちゃんに裏切られた気持ちでいっぱいになりました。
まる子はタイムカプセルを投げ捨ててしまいます。
次の日、学校で会った二人。
たまちゃんは、
「お母さんから留守番を頼まれて家から出られなかったの」
と約束の場所に行けなかった理由を話し、
「本当に本当に、ごめんね」
と謝ります。
しかし、まる子は
「3時間も寒い中待ってたんだよ!留守番なら鍵を閉めて来れたじゃない!」
とたまちゃんを責めて許しませんでした。
その日、家に帰ったまる子はお母さんに、お鍋の番を任されます。
待ってる間、まる子は、たまちゃんのことを考えます。
「たまちゃんもこうやってどうしても家から出られないような、留守番を任されていたのかなあ」
そう思って捨ててしまったタイムカプセルをもう一度探しに行きます。
でも探しても探しても見つかりません。
その時、
「まるちゃん...」
たまちゃんが立っていました。
たまちゃんも、ピアノの教室へ向かう途中、
「まるちゃんはこんな寒い中でも私が来るのを待ってたんだ、まるちゃんは一人で寒かっただろうな、心細かっただろうな」
と思って約束の場所にきていたのでした。
二人向かい合って泣きながら
「ごめんね、たまちゃん」
「ごめんね、まるちゃん」
抱き合いながら泣きました。
タイムカプセルはまた作り直すことにしました。
また同じように20年後のお互いに宛てて、
まる子は『たまちゃんへ たまちゃん 大好き』
たまちゃんは『まるちゃんへ まるちゃん 大好き』
そう書いて穴に埋めたのでした。