親身な先生

名前:名無しさん 投稿日:2015年03月22日 01:09:45

 

恩師ではないが思い出に残っている先生

 

私は昔から集中力がなくて
勉強する事がニガテだった

特にノートを取る事が苦痛でたまらない

 

でも、塾では勉強に集中出来て
塾内ではいつもトップ

 

ただ、学校で勉強が出来なかった

暇さえあれば寝たり、友達と手紙を回したり…

 

提出物は気が向かないとださないし、
得意教科なら誰にも負けないが
苦手教科はクラスでも下の方だった

 

私には苦手教科があり
それが理科だった

ただ、嫌いじゃなく
実験大好き!て感じだったけど
それでも授業には集中出来なくて
テストの点数も非常に悪かった

 

理科はいつも理科室であったのだが
理科室は班で実験出来るように
個別の机がない

だから、先生の決めた班で座っていた

で、先生はなるべく喋らなさそうな人を
同じ班にしたつもりだったが
その班はみんな同じ小学校で同じクラスに
なった事ある子しかいなかった

そして当然喋る喋る。

喋らないときでもいつも寝ていた。

 

でも、そんな私でも授業中はいつも怒るのに対し
授業が終わって理科室から教室に帰る間
二人きりになった時に
日頃の疑問には何でも答えてくれた

若くて今時の優しくて面白い先生だった
(少し適当なとこもあったが…笑)

 

学期末になると全くというほどノートを取らなくなった

(今まで授業のノートが2冊目になったのは
得意教科が1回のみというくらい取ってない)

 

先生から注意される事も日に日に増えた
その上遅刻も多かった為
注意される事が非常に多かった

 

2月のとても寒い時期

そんなある日の帰りの会

先生が教室の外でずっと待っていた

そして、帰りの会が終わると私を呼び出した

周りとあ~、ついに先生もキレたな~とか
いう話をしていた

先生はそれを聞いていたのか
怒らないから、ちょっと来い!
と言ってビミョーな顔をした

 

そして外の人気のない場所
(遠くに部活動生が見えて他の人が立ち聞きしにくい場所)
に連れて行かれ
先生は部活動生の方向を向いて手すりにもたれかかり
隣の手すりをぽんぽんと叩き、来いよ
というようなかんじで言った

私は言われるがままに
手すりにもたれかかった

 

すると先生は話し始めた

 

まず初めに怒らない事を説明して来た(笑)

その時に言ったのが
『俺は散々お前を怒って来たが
今までに一度もお前の気持ちを考えた事がなかった
だから今回はお前の気持ちを考えてみる事にした』

私はあまりに驚いて黙り込んでしまった

この先生がこんな事言ってくれるなんて
思ってもみなかったからというのもあったが
やっぱり怒られるのを頭の隅で考えていたからだ

 

すると先生は色々質問して来た

勉強方法などについて
どんな質問をされたかは覚えてないが
質問をされたのは覚えている

 

そして、先生は口を挟まずに
親身に聞いてくれて
提案してくれた

 

まずはたくさんペンを使って
色遣い気にして楽しくノートを
取ろうという事を始めた

 

それから私は毎時間丁寧にノートを取って
先生に授業終わりに見せに行った

すると先生はいつもニカッと笑って
褒めてくれた

 

それは1年生最後の授業まで続けた

先生は2年生になっても頑張れよ
と言った

 

それから終業式

そこで離任式があり
先生は離任した

先生は泣いていた

私はその日先生と喋れなかった

先生を好きな生徒もいたし(恋愛的に)
副担任で他クラスを持っていた

 

ただ、帰る時職員室から出ていた先生に
友達と手を振ったのが最後になった

遠い中学に行ってしまった

 

それから私がノートを取るのが続いたのは
2年生の最初だけだった

でも、おかげで過去最高点でかなり取れた

ただ、1学期後半は得意教科もノートを取らないほどに
なってしまった…

 

離任式のその日の夜、寝る前に少し考えた

あの時何故言ったのかって事

その時にはもうこの学校を離れる事が決まり
それで、次の先生に引き継ぐ時に困るから
話したんじゃないかと思うと
そんな事をする先生とは思わなかったから
少し泣けてくる

 

他の話には劣るが
私の人生を少しだけ変えてくれた先生の話

 

おわり